インドの生地の特徴や魅力、取り扱い上の注意、お洗濯の方法、B品の状態などについて。
共通の注意事項
私たちはインドの布を「そのまま」
お届けしたいと考えています。
□小さなよごれを気にしていません
1㎝以下の小さなよごれ、薄い色のよごれ、布の裏側の大きめのよごれは、ほとんどB級品にはしていません。
Mula:working clothの布はインドの村から、たくさんの人の手を渡って、私たちの元に届きます。その布が辿ってきた道の途中で着いた小さなよごれは、個性として受け止めてもらえたら、と思います。
とはいえ、すごく気になるもの、ちょっとこれはどうかな、というものは割引して販売しています。商品お買い上げの後に気になるものがございましたら、ご連絡ください。
□お届け時の布の状態(糊・砂・土)
インドから届いた状態で洗わずにお届けします。インドの布で特にベジタブルダイの布は染色後に地面に広げて乾かすので砂・土がついている場合があります。また、綿や土の匂いがすることもあります。洗ってお使いいただくうちに、気になる匂いは消えていきます。
ベジタブルダイについて
ベジタブルダイとは、インドで染められている植物や鉱物、合成染料を含む染料の総称です。
□色の経年変化について
ベジタブルダイは洗濯や日焼け、経年などにより、少しずつ色が変化していきます。使う人と共に変化する表情を楽しみながら、布との時間を過ごしていただけたら、と思います。
□日焼けと色移りについて
局所的な日焼けを避けるために、保管の際は日の当たらない場所をお勧めします。ベジタブルダイの布は水に濡れている状態で他のものと接していたり、強い摩擦などにより色が移る場合があるので、お気を付けください。
□ベジタブルダイの布の洗濯について
着物などと同じように「あまり洗わない」ことが一番です。洗うときは洗剤を使わずに、水またはぬるま湯での手洗いをお勧めします。水はしっかり切ってください。脱水だけ洗濯機を使われるのもよいと思います。
汚れがひどく、洗剤を使われる際は、漂白剤の入っていないものをご使用ください。洗剤を使わない方が、ベジタブルダイの色を長持ちさせられます。
□発注毎に若干色が変わります
同じ柄を再注文されるときには、お気を付けください。ベジタブルダイの布は、染めた時の気温や水温、染料や補助素材の濃さなどにより、色の出方が変わります。赤や黄は特に色味の幅が広いと感じております。例えばアリザリン染料を使う赤は「黄みの赤」「青みの赤」「鮮やかな赤」「少しくすんだ赤」など、毎回多彩な赤があります。WEB SHOPで販売する場合は、基本情報に入荷した年月を記載しています。
□2国間の捉え方の違い
ベジタブルダイは、直訳すると「野菜染め(自然染め)」ですが、インドでは植物や鉱物の他、インディゴなどの合成染料も含まれています。日本の「自然染め」とは捉え方が異なる部分もあります。Mula:working clothでは2020年以前の商品では「インドの自然染め」として表記しておりましたが、現在は「ベジタブルダイ」と表記しています。
カディコットンについて
KHADI(カディ)とはインドの村々でつくられている綿布で、手で糸を紡ぎ、手で織った手づくりの布の総称です。
□カディの歴史
インドがイギリスの植民地であった時代、独立の父ガンジーが「イギリスへの経済依存をやめ、自分たちの着るものは自分たちでつくろう」と呼びかけて、当時すでにインドでも廃れかけていた手紡ぎ手織りでの布づくりを復興させました。その布をまとうことで、インド人の誇りを取り戻し、自立を促し、村に仕事をつくり、非暴力での独立に導いたといわれています。ガンジーはインド産の手紡ぎ手織り綿を「カディ(KHADI)」と名付け、「Khadi is not just a cloth. It is thought. (カディはただの布ではない。思想である。)」と語ったそうです。
□カディの特徴
生地の特徴としては使うほどに柔らかくふんわりとしてきます。通気性と吸収性が良い実用的な布です。夏のお洋服にして1枚で着ると涼しくとても気持ちがよいです。重ね着をして冬のお洋服にすると、湿気は通してふんわりと柔らかく保温してくれます。
□カディは縮みます
一度も洗っていないカディの生地は、洗うと約10%程度縮みます。一度水通しを済ませた生地はそれ以上縮みません。ベジタブルダイで染めた生地は、染める工程でほとんどが水通しをしています。化学染料で染めた生地は、一部水通しをしていないものもあります。一般的な綿100%のTシャツと同じように、お洗濯をして乾かすと、綿の特徴としてギュッと硬くなり一時的に縮みますが、使って(着て)いるうちにやわらかくなります。
□カディの表情
カディは一反の織る中でも、紡ぎ手の異なる糸が使われることもあり、いろいろな表情があります。また、織る工程で手紡ぎの糸は切れやすいため、糸の塊やほつれができてしまいます。インドではこのような人のつくるものの「不完全さ」を当たり前に受け入れているところに、この国のおおらかさを感じます。Mula:working
clothでは、このようなカディの表情に「インドらしさ」が織り込まれているようで、カディの魅力のひとつと考えています。
□カディの取り扱い飛び出した糸や、糸の塊は引っ張ったり切ったりしないでください。気になる方は針などを使って生地の裏側に押し込んでください。
ブロックプリントについて
ブロックプリントとは、インドの伝統的な染技法で、ウッドブロックと呼ばれる20㎝前後の木のハンコを使い、一押しずつ模様を押して染めあげた布の総称です。
□揺らぎのあるプリント布
おおらかなインドの職人さんたちが染めるので、柄がズレたり、重なったり、かすれたりしています。人間らしい揺らぎがあり、心地よいリズムをまとった布です。
□柄合わせはできません
作業台に布を広げ、ピンで固定して染めます。固定の仕方によって、ゆがんだまま染めていることもあるので、生地目に柄が沿っていません。ブロックプリントの柄は、真直ぐに見えても微妙にずれており、版と版の間隔も一定ではありませんので、柄合わせは不可能です。
□インクの飛び跳ね、カスレ
ブロックプリントの布を染めるときは、何度も染料と布の間をウッドブロックが往復するので、大小様々なインクの飛び跳ねがあります。Mula:working clothではこのような表情もその布の個性としてとらえています。
ライセンスフリー
Mula:working clothの布はオリジナルデザインもセレクト生地もライセンスフリーです。
□ ライセンスフリーお使いいただくときに特に決まりごとはありません。よろしかったらSNSに投稿時はハッシュタグ#ムーラの布 #designlabochica #mulaworkingclothなど使っていただけましたら、私たちも皆さんの作品を見ることができて、とてもうれしいです。
インドの感覚
最後に。私たちが届けたいもの
インドの人たちの異なる宗教や考え方の人たちとも日々を平和に暮らす方法、自然や神々に祈る心、家族や友人との時間を大切にすること、幸せの哲学・・・、目には見えないインドの精神性は、人の手を通して手染や、手織りの布に込められていると感じています。
インドの心地よい感覚が、あなたの心に届きますように。あなたのひとつの答えとなりますように。
(デザイナー・ツジマミ)
上記で説明したもの、以下の写真のような状態は「インドの布の特徴」としてとらえています。
1インクのはね 2インクのにじみ 3小さな汚れ 4土よごれ(洗うと落ちます) 5ブロックプリントのズレ 6小さな汚れ 7インクのカスレ 8カディの織ムラ 9カディの横糸に別の色の糸が混入 10カディの大きな糸の塊 11カディ(ワイルドコットン)の織ムラ 12カディ(ワイルドコットン)の横糸に別の色の糸が混入 13カディ(ワイルドコットン)に木っ端が混入+にじみ 14生地の裏側の汚れ
以下の写真のような状態はインドの布の特徴ではありますが、販売時には割引価格で取り扱っています。
1・2強すぎる日焼け 3水濡れによるシミ 4マジック