「ギンガムチェック」2014年発表
「ギンガムチェック」はストライプのウッドブロックを縦と横、2回押してチェック柄にすることで、ブロックプリントのズレ感の面白さを表現しています。シンプルだからこそ、染めた人のゆらぎやリズムを感じられます。オリジナルとして一番初めにつくったデザインで、2014年からの定番で作り続けています。
<デザイナーの小話>
ギンガムチェックは3つの工房を渡り歩いてきたデザインです。そして2番目の工房で初期の版を置いてきてしまったので、今のギンガムチェックと初期のギンガムチェックは、実は少しだけ線の太さやギャップが違うのです。インドは一筋縄ではいかないことばかり。布づくり1年目のことをhistoryの方でまとめています。
●基本情報●
◎名前 「ギンガムチェック」スラブコットン
◎価格 2000円+税/m
◎素材 綿100%
◎地の生地 スラブコットン(機械織・普通地)
◎厚さ 普通地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 赤・黒/アリザリン 黄/レッドカシス 緑/不明
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
「バグルー村の太陽の花」2016年発表 (生産終了)
オリジナルの布を染めてくれているバグルー村の自然をテーマにつくったデザインです。西インドラジャスターン州の半砂漠エリアにあるバグルー村は、まぶしい太陽と力強い大地が印象的です。その大地の上に並べて布を乾かしているので、バグルー村の布はインドの土の香りがします。大地や人の手を通して染められた布は、インドのおおらかなエネルギーを持っているように感じます。
<デザイナーの小話>
バグループリントで染めた4色とは別に、白い生地に白い顔料でプリントしてもらったものもあります。こちらは、なかなか苦戦しました。続きはhistoryにて。
●基本情報●
◎名前 「バグルー村の太陽の花」スラブコットン
◎価格 2000円+税/m(スラブコットン)
◎素材 綿100%
◎地の生地 スラブコットン(機械織・普通地)
◎厚さ 普通地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 赤・黒/アリザリン 黄/レッドカシス 緑/不明
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
「バグルー村の夜空の星」2016 (生産終了)
「バグルー村の夜空の星」は、ムーラのオリジナルデザインの中で版の数が一番多く5つの版を使っています。星柄の同じ場所に5回も版が重なっているので、すごくズレます。そのズレで星の瞬きを表現しています。緑の星は黄の上に青が重なって緑になっています。夜空の暗闇の部分は黒と青が重なっているので、深い色合になっています。
●基本情報●
◎名前 「バグルー村の夜空の星」スラブコットン
◎価格 2600円+税/m
◎素材 綿100%
◎地の生地 スラブコットン(機械織・普通地)
◎厚さ 普通地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 染料/インディゴ・アリザリン・レッドカシス・
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
「生命の賛歌」2017年発表
このデザインは、命をテーマにした布です。「螺旋・進化・一族・種族・群れ・危機・突然変異・偶然・出会い・響きあい」など、命のイメージを言葉から探り、それぞれをバラバラのイラストに、さらにそれらを6角形の版3つに構成してまとめました。その3つの版を職人さんにお任せして、ランダムに組み合わせて押してもらい、布全体を染めています。偶然におこる柄の重なりや、隣り合う柄の響きあいで生命の多様性を表現しました。色は力強いインドの赤と大地の色のような黄を採用しました。
このデザインはデザイナー自身の家族の死や、新しい命を授かったことを機につくったデザインで、すべての命への尊敬が込められています。
<デザイナーの小話>
生命の賛歌のデザインは、デザイナー本人としては全力で感情を込めて作り過ぎて、発表するのが本当に恐ろしかったことを覚えています。「たくさん作ったけど、全然売れなかったらどうしよう・・・」と本気で悩みました。続きは長くなるのでhistoryにて。
●基本情報●
◎名前 「生命の賛歌」スラブコットン※1
◎価格 2000円+税/m
◎素材 綿100%
◎地の生地 スラブコットン(機械織・普通地)
◎厚さ 普通地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 染料/アリザリン・レッドカシス
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
※1 以前はオーガニックコットンに染めていましたが2020年春からスラブコットンに変わりました。
「リボン&リボン」2017年発表 (生産終了)
このデザインはブロックプリントの「プリント」と「ダブ」の2種類の染め方に着目してつくった実験的なデザインです。2色展開で「黒+青」「黄+灰」、それぞれ2色のリボンが互い違いになっています。
2種類の染め方とは「プリント」と「ダブ」と呼ばれています。「プリント」は染めたいところに版で色をつけます。このデザインで見ると黒と黄色です。柄の輪郭がはっきりしているのもプリントの特徴です。「ダブ」は白く残したいところに版で糊をおき、染め抜きます。糊の場所以外に色が入ります。デザインでは青、灰色がそうです。ブロックプリントではこの2種類の染め方と色の重ね方を組み合わせて、複雑で美しいプリント布になります。
●基本情報●
◎名前 「リボン&リボン」オーガニックコットン
◎価格 2000円+税/m
◎素材 綿100%
◎地の生地 オーガニックコットン(機械織・薄地)
◎厚さ 薄地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 なし (あり・ややあり・なし)
◎透け感 なし (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 黒+青>アリザリン+インディゴ 黄+灰>レッドカシス+カシス
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
①「雨と種」灰・青 ②「銀河」③「実り」2019年発表 (①②生産終了)
バグルー村のリカー工房とのコラボレーションでうまれたデザインのです。普段は別の柄に使われる版をムーラ的に再配置、REデザインしています。サンプルづくりの時は、職人さんに「それをそう使うの?!」と驚きニヤニヤされました。布の片側の端だけに柄があるので、使い方によって、より楽しめる布になりました。
<デザイナーの小話>
写真にはないのですが、実はもう一つ「種の行方」というデザインがありました。カシスのグレーで染めてもらったこのデザインは、グレー単色の部分に強めの染めムラが強く出てしまったものが多くあり、悩んだのですが、村の強いものには別の色柄を重ね染めしました。そして出来上がったのが「雨と種」です。葉っぱのような矢印のような柄の下に幻のデザインとなった「種の行方」の花やドットが少しだけ見えています。
●基本情報●
◎名前 「雨と種」「銀河」「実り」スラブコットン
◎価格 2600円+税/m
◎素材 綿100%
◎地の生地 スラブコットン(機械織・普通地)
◎厚さ 普通地 (厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 「雨と種」灰/カシス 「雨と種」青/カシス・インディゴ 「銀河」/インディゴ 「実り」/インディゴ
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
「都市の成り立ち」2019年発表
「都市の成り立ち」は都市計画の面白さをデザインにしています。ずっと人の暮らしが続く場所、文化や技術の変化の中で更新されていきカタチになる街。昔ながらの暮らしがあるエリアに開発で複合ショッピングセンターができたあとの暮らしの変化に、複雑な気持ちになるときがあったり、高速道路や新幹線が出来て便利になったらしいけど、自分の生活はどのくらい変わったのかな、と思ったり。大通りが重なる場所にある三角ビルが可愛かったり、へんてこなカタチの公園が気になって地図を広げてみたり。今の暮らしに合わせて便利になっていくらしい都市。でも今って、誰の今?便利って一様じゃない。
都市は仕組みがゆき届いているようで、ゆき届き入れないカオスがある。結局どうやっても完璧にはならない「人の仕業」がたくさんあって、それが愛おしく、それが苦しい。そんな街のヘンテコな実態と成り立ちついて、これからも継続して考えたくてこのデザインをつくりました。約12㎝×18㎝の長方形の版を使って縦と横をランダムに押すと、どうしても余白が出来てしまいます。職人さんは染めた場所に紙を置いて、余白だけにもう一度版を押して埋めていきます。そして版の押し方によって偶然に延びたり途切れたり曲がったりする縞や、集合する四角や三角に街の視覚的なイメージを重ねています。
<デザイナーの小話>
このデザインは、本当にブロックプリント職人泣かせだと思います。トントンと柄をリピートして押していくのがブロックプリントなのに、あえて余白を作らせて、立ち止まって埋めさせる・・・本当に面倒くさいと思います。でも、面倒くさいのが人間で、面倒くさいのが都市の暮らしだと思うので・・・。本当に面倒くさいクライアントは私です。こんな私の無茶振りを一生懸命理解し、染あげてくれるリカー工房のラメーシュさんは、奇跡のインド人だと思っています。出会えてよかった。ムーラの布を支えてくれている、信頼の厚いラメーシュさんに出会えた時のことは2016年発行のフリーペーパーに書いています。こちらのリンクからも読むこともできるので、ご一読ください>>>
●基本情報●
◎名前 「都市の成り立ち」①クラシックコットン ②キャンバスコットン
◎価格 ①2000円+税/m ②3000円+税/m
◎素材 ①②綿100%
◎地の生地 ①クラシックコットン(機械織)②キャンバスコットン(機械織)
◎厚さ ①普通地②厚地(厚地・中厚地・普通地・薄地・極薄地)
◎伸縮性 ①②なし (あり・ややあり・なし)
◎透け感 ①②なし (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ 染料/黒アリザリン 緑/不明
◎生地幅 ①約110cm ②約140㎝
◎生産地 インド・バグルー村
「ひとつ」2021年発表
original textile 2021 「pieces –ひとつ–」
ひとりひとりが「違う」ということ。
「違う」ことはあたりまえなのに、
頭ではわかっているのに、
「同じ」でありたくなる。
「わからない」ことは不安になる。
「同じ」だと思えたら安心する。
人と「違う」ことは、なんだか恐ろしい。
「ひとり」になることは、なんだか恐ろしい。
だから、輪郭をぼやかして、
自分の外の世界と馴染んでいたい。
でも、そうできない。
ほんとは「違う」ということを知っている。
「理解する」と「同じ」は違う。
「正しい」と「同じ」も違う。
「違う」うえで共にありたい。
「違う」ことを許したい。
design by TSUJI MAMI
<デザイナーの小話>
新しいデザインのビジュアルのイメージは決まっていました。「大きなまる」。はっきりした線で背景と仕切られた「まる」。
「まる」は、職人さんにウッドブロックでフリーハンドで書いてもらう。大きな「まる」だから、ゆがんだりするだろうと思っていました。
1枚6~7mの布の最後の「まる」は、きっとスペースの関係で細くなったり太くなったりするだろうな、と思っていました。
その、フリーハンドの「まる」の揺らぎで、「人の個性」を表現したいと思っていました。みんな「まる」だけど、ちょっとずつ違う「まる」。
はじめのデザイン意図を言葉にするとこんな感じ。
「まるくても、カクカクでも、とげとげでもいい。それぞれの形を愛そう」
でも、布が出来上がってみて、なんと、全部きれいな「まる」!!おお!そうか!そうなったか!!と、ちょっと笑いました。
このきれいな「まる」は、この布を染めてくれているインドの職人さんランバブージの「個性」。おおざっぱ?おおらかな?インド人の中で珍しい、とっても几帳面な性格。だから、とってもきれいな「まる」になったのでしょう。
なんだか、爽快に裏切られたようで、まさに、テーマそのもののようで、私こそ、はじめの意図との「違い」を受け入れようと思いました。
●基本情報●
◎名前 「ひとつ・赤青・ヘビースラブコットン地」
◎価格 3300円(税込)/ひとまる
※ひとまる単位で販売しています。ひとつのまるが約100~110㎝です。
◎素材 綿100%
◎地の生地 ヘビースラブコットン地
◎厚さ 中厚地 (厚地・中厚地・普通地・中薄地・薄地)
◎伸縮性 ややあり (あり・ややあり・なし)
◎透け感 なし (あり・ややあり・なし)
◎色 ベジタブルダイ
◎技法 ブロックプリント
◎生地幅 約110cm
◎生産地 インド・バグルー村
WEBSHOP(生地の販売)
https://designlabochica.stores.jp/
YouTube(生地を動画で紹介しています。)
https://www.youtube.com/channel/UC54XO1rxY-ddT617mUWH39g